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口コミサイトとは
口コミサイトとは特定のジャンルの商品・サービスに対し、消費者が使用しての感想を投稿し、それを他の閲覧者が読むことができるWebサイトである。
例えば下記のようなサービスが存在する。
他に、業態を限定しない実店舗口コミサイトでもあるGoogle Mapがある。
企業運営サイトでは多くの場合、予約機能を備えている。広告掲載で収益をあげているサイトもある。
口コミサイトに商品・サービスが登録される際は何らかの分類分け・タグ付け等され、整理される。これは過去のディレクトリ型検索サイトと同様の形態である。
登録自体は商品・サービスの提供者が行う場合と、消費者(口コミ投稿者)地震でも行える場合がある。
口コミサイトは英語で下記のように言う。
- Word of Mouth
- (Local) Business Review
- Classified advertising ※分類された広告サービスのことで、厳密には口コミサイトとは異なる
口コミサイトの構成要素
口コミサイトは以下のページ(機能)から構成される。ただし、そのページがなくても利用できる場合もある。
なお、別途ログインページが必要となる。ログインはサイト管理者用、商品・サービス登録者用、口コミ投稿者用を必要に応じて用意する。
リストページ
都道府県などの所在地や、ラーメンなどのカテゴリ別に分類されたページの一覧が表示される。各ページの簡単な説明や画像等が簡易表示され、詳細を確認するための各ページへリンクされる。
商品・サービス詳細ページ
商品・サービスの詳細が表示されるページ。
商品・サービスの説明、画像、口コミ等必要情報が記載される。
商品・サービス登録ページ
商品・サービスを新規に登録する際に使用するページ。
商品・サービス詳細ページに表示される情報を記載したり、リストページのどの部分に掲載されるかのカテゴリ分け、タグ付け等を行える。
登録は商品・サービスの提供者のみに限定するか、消費者ならだれでも登録できるようにするのか、考慮が必要。
検索ページ
リストページによらない方法で、商品・サービス詳細ページを発見するために、検索ページを利用できる。
口コミ投稿ページ
閲覧者が口コミを投稿する際に使用するページ。
点数、フリーテキスト、画像等が投稿できる。
オープンソースの口コミサイト
日本で有名なオープンソースの口コミサイト構築ソフトはないようである。有料のサービスであれば、いくつか見つかる。
そのため、英語版で探す。検索は次のような語+”Open Source”で行う。
- Word of Mouth
- (Local) Business Review
- business directory
- yelp clone ※yelpはアメリカでもっとも有名な口コミサイトである
- directory script
- business directory
見つかったオープンソースソフト
最新バージョンは2021年2月21日時点のものである
phpMyDirectory
2002年からあるソフト。最近はあまり開発が行われていないようである。
- 公式サイト
- 使用技術:PHP
- 最新バージョン:1.5.3 ※バージョンの再定義をしたため数字が小さいが、以前はバージョン10を超えていた
- 最終リリース日:2020/9/30
- デモページ
- ダウンロードページ
Business Directory Plugin – Easy Listing Directories for WordPress
WordPressのプラグインとしてのソフト。有料版と無料版がある。有料版の追加機能はこちら。
Business Directory Pluginで検索すると”Directorist – Business Directory Plugin”という別のプラグインが先に表示されるので注意。
eSyndiCat
- 公式サイト / github
- 使用技術:PHP
- 最新バージョン:1.8 (有料版は2.3)
- 最終リリース日:2017/12/4
- デモページ:なし(Webサイトにリンクはあるがリンク切れ)
- ダウンロードページ
GeoDirectory
WordPressのプラグインとしてのソフト。
提供元による他ソフトとの比較考察記事がある。
比較結果
各ソフトを比較した結果はWordPressベースの「GeoDirectory」、「Business Directory Plugin」が良さそうである。
※Business Directory Pluginはデモがなく、UIの評価ができない点が難。ただし、UIは基本的にカスタマイズするので、UIはあまり気にしなくてもよい。
その他のソフトのNG理由は以下。
- phpMyDirectory
- 最近はあまり開発が行われていない
- UIが古い
- eSyndiCat
- 開発が停止している
- デモがなく、UIの評価ができない
検証
Local by Flywheelを使用して「口コミサイトの構成要素」のページやその他必要な機能を備えていることを検証・確認した。
サイト管理者に必要な機能
- ビジネスオーナー(商品・サービスの提供者)の登録
※ビジネスオーナーは自由に口コミサイトに登録・ビジネスサイトの公開はできないものとする - カテゴリ登録
※ビジネスオーナーは自由にカテゴリの追加はできないものとする(タグの追加は可能) - トップ画面カスタマイズ
ビジネスオーナーに必要な機能
- ビジネスサイト投稿
- ビジネスサイト更新
閲覧者(商品・サービスの利用者)に必要な機能
- ビジネスサイトのリスト閲覧
- ビジネスサイトの閲覧
- ビジネスサイトの検索
- 口コミ投稿
GeoDirectory
サイト管理者に必要な機能
ビジネスオーナー(商品・サービスの提供者)の登録
WordPress標準のユーザー登録機能を使用する。
権限グループは「投稿者」とすることで、自身でページの公開、公開後の編集が可能となる。
ただし、GeoDirectoryは口コミをWordpress標準のコメント機能を使用して実現しているため、投稿者は自身のページの口コミを削除することができる。これでは、評価の悪い口コミを削除されてしまう恐れがある。
口コミの削除を行う権限は”edit_published_posts“であるが、この権限はビジネスページの公開後の編集の権限も担っているので、二律背反となってしまう。
両方を実現したい場合、Wordpress・プラグインの改造が必要となる。
カテゴリ登録
可能。カテゴリの親子登録も可能。
トップ画面カスタマイズ
トップ画面は用意されておらず、自身で固定ページとして作成が必要。
ビジネスオーナーに必要な機能
ビジネスサイト投稿
住所の入力フォームが、都道府県や市区町村など別れており、入力しづらい。
地図がサイトに表示されるため、住所から地図を検索可能である。地図はOpenStreetMapとGoogle Mapを使用可能であるが、OpenStreetMapの場合、日本語の住所検索ができない。
Google Mapは日本語の住所検索が可能であるが、地図表示の際、1リクエスト当たり0.005米ドルの課金が発生する。ただし、月200ドルまでは無料で、月200ドルを超えた場合に地図を表示せずに無断の課金を防ぐことができる。
ビジネスサイト更新
投稿時と同じ方法で更新可能。
投稿されたコメントの削除ができる。
閲覧者(商品・サービスの利用者)に必要な機能
ビジネスサイトのリスト閲覧
リストページは提供されないので、自分で用意するか、検索やカテゴリ・タグ一覧を利用する必要がある。
地図上に登録サイトの住所をマッピングするページが用意されているので、特定地域の登録地一覧を見る際は便利である。
ビジネスサイトの閲覧
デフォルトのテーマで問題なく可能。
ただし、ビジネスオーナーではない一般の閲覧者に対しても投稿リンクが表示されるのが余計である。
ビジネスサイトの検索
フリーワード検索のほか、特定住所の近隣検索も可能。
ただし、特定住所の近隣検索はどの程度期待通りに動作するかは十分に検証できていないため不明。
口コミ投稿
テキストのコメント、星の数による定量評価のいずれもできる。
WordPressのデフォルトとしてコメント者の名前、メールアドレスの入力が必須になっているが、必須を解除すれば入力なしに口コミ投稿できる。
ただし、入力不要なメールアドレスやWebsiteなどの入力フィールドは表示されているので、こちらは別途Wordpressをカスタマイズして見えなくする必要がある。
Business Directory Plugin – Easy Listing Directories for WordPress
※プラグインのインストール時に、Business Directory Pluginで検索すると”Directorist – Business Directory Plugin”という別のプラグインが先に表示されるので注意。
サイト管理者に必要な機能
ビジネスオーナー(商品・サービスの提供者)の登録
WordPress標準のユーザー登録機能を使用する。
権限グループは「投稿者」とすることで、自身でページの公開、公開後の編集が可能となる。
ただし、Business Directory Pluginは口コミをWordpress標準のコメント機能を使用して実現しているため、投稿者は自身のページの口コミを削除することができる。これでは、評価の悪い口コミを削除されてしまう恐れがある。
口コミの削除を行う権限は”edit_published_posts“であるが、この権限はビジネスページの公開後の編集の権限も担っているので、二律背反となってしまう。
両方を実現したい場合、Wordpress・プラグインの改造が必要となる。
カテゴリ登録
可能。カテゴリの親子登録も可能。
トップ画面カスタマイズ
トップ画面は既定のものが用意されており、検索フィールドの増減等はできるが、自由なカスタマイズはできない。
ビジネスオーナーに必要な機能
ビジネスサイト投稿
HTMLによるフリーフォームのほか、住所や電話番号の入力フィールド、カスタムフィールド等が用意されている。
地図はない。
ビジネスサイト更新
投稿時と同じ方法で更新可能。
投稿されたコメントの削除ができる。
閲覧者(商品・サービスの利用者)に必要な機能
ビジネスサイトのリスト閲覧
自動で生成されたカテゴリ階層に分類されて閲覧可能。
タグによるリスト閲覧も可能。
ビジネスサイトの閲覧
ビジネスオーナーに対するコンタクトフォームがある。
コメントフォームが2つ表示される(不具合?)。
ビジネスサイトの検索
フリーワード検索では、タイトルや本文は検索できるが、住所や電話番号などの指定フィールドの検索はできない。
住所や電話番号などのフィールドを指定した検索フォームも別途用意されており、そちらでなら検索可能。
口コミ投稿
テキストのコメントはできるが、星の数による定量評価が無料版ではできない。
WordPressのデフォルトとしてコメント者の名前、メールアドレスの入力が必須になっているが、必須を解除すれば入力なしに口コミ投稿できる。
ただし、入力不要なメールアドレスやWebsiteなどの入力フィールドは表示されているので、こちらは別途Wordpressをカスタマイズして見えなくする必要がある。
検証結果
プラグインのコードをカスタマイズせずに使用する場合でもカスタマイズする場合でもGeoDirectoryの方が使いやすい。
以下の理由による
- GeoDirectoryの入力項目・UIの方がシンプルである
- 口コミ投稿に星の数による評価が可能である
ただしWordpressベースで構築する場合、各ページを統一デザインにするためにはビジネスオーナーにはフリーフォーマットでのテキスト入力をさせるより、カスタムフィールドに指定項目を入力させて、自身で出力フォーマットやスタイルを指定・共通化させた方が良いが、カスタムフィールドの強力さで言えばGeoDirectoryよりAdvanced Custom Fieldsの方が良い。
GeoDirectoryはカスタム投稿タイプに対して、カスタムフィールドやテンプレート機能を追加したものではあるが、カスタムフィールド以外の機能部分についてそれほど優位性がない。
Advanced Custom Fieldsは有料のPro版になるが(古い版なら無料でも入手可能)、Repeater Fieldという投稿者(ビジネスオーナー)が任意の数のカスタムフィールドを入力できる機能がある。これによって価格リストをカスタムフィールドで作成することができる。GeoDirectoryではできない。
一方GeoDirectoryにできて、Advanced Custom Fieldsでは実現できないのはコメントの星による評価機能であるが、これは別のプラグインで実現可能である。
従って、手軽に口コミサイトを構築したいならワンパッケージのGeoDirectoryが良いが、機能・UIのカスタマイズを行いたいならAdvanced Custom Fieldsベースで構築したほうが良い。
構築
WordPressの設定
日本語化
- Setting -> General
- “Site Language”を「日本語」に変更する
- “Save Changes”ボタンをクリックする
サイトのタイトル・キャッチフレーズの設定
- 設定 -> 一般
- “サイトのタイトル”を任意のものに変更する
- “キャッチフレーズ”を任意のものに変更する
- “変更を保存”ボタンをクリックする
タイムゾーン・日付形式・時刻形式の設定
- 設定 -> 一般
- “タイムゾーン”を”UTC+9″に変更する
- “日付形式”を”Y年n月j日”に変更する
- “時刻形式”を”H:i”に変更する
- “変更を保存”ボタンをクリックする
コメント時の必須項目をなくし不要項目を非表示にする
下記設定に加え、不要項目の非表示化は別途行う
- 設定 -> ディスカッション
- “コメントの投稿者の名前とメールアドレスの入力を必須にする”のチェックを外す
- “変更を保存”ボタンをクリックする
Advanced Custom Fields Proのインストール
- 古い版をインストールする場合
- こちらを開く
- “Code”ボタンをクリックし、”Download ZIP”をクリックするとダウンロードが開始する(”advanced-custom-fields-pro-master.zip”がダウンロードできる)
- プラグイン -> 新規追加
- プラグインのアップロード
- “参照”ボタンをクリックするとファイルブラウザが開くので先ほどダウンロードした”advanced-custom-fields-pro-master.zip”を選択する
- 今すぐインストール
- プラグインを有効化
カスタムフィールドの作成
以下では例として店舗情報として以下を作成する
- 名前
- 住所
- 地図
- 営業日
- 営業時間
- 電話番号
- メールアドレス
- 支払い方法
- 税込み・税抜き種別
- 価格リスト1
- 価格リスト2
- 公式Webサイト
- LINE
- カスタムフィールド -> 新規追加
- “タイトルを追加”とあるフィールドに”店舗情報”を入力する
- “名前”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”名前”と入力する
- “フィールド名”に”shop_name”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “必須か?”を”はい”に変更する
- “住所”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”住所”と入力する
- “フィールド名”に”shop_address”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “地図”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”地図”と入力する
- “フィールド名”に”shop_map”と入力する
- “フィールドタイプ”を”Googleマップ”に変更する
- “営業日”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”営業日”と入力する
- “フィールド名”に”business_day”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “営業時間”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”営業時間”と入力する
- “フィールド名”に”business_hour”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “電話番号”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”電話番号”と入力する
- “フィールド名”に”shop_tel”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “メールアドレス”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”メールアドレス”と入力する
- “フィールド名”に”email”と入力する
- “フィールドタイプ”を”メール”に変更する
- “支払い方法”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”支払い方法”と入力する
- “フィールド名”に”pay_method”と入力する
- “フィールドタイプ”を”チェックボックス”に変更する
- “必須か?”を”はい”に変更する
- “選択肢”に次を入力する
現金
クレジットカード
PayPay
LINE Pay
楽天ペイ
メルペイ
Alipay
WeChat Pay
Apple Pay
デビットカード
交通系電子マネー
d払い
au PAY
WAON
nanaco
iD - “Allow Custom”を”はい”に変更する
これによって、上記選択肢にない場合でも登録時に選択肢に追加できる - “デフォルト値”に”現金”と入力する
- “税込み・税抜き種別”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”税込み・税抜き種別”と入力する
- “フィールド名”に”is_tax_included”と入力する
- “フィールドタイプ”を”ラジオボタン”に変更する
- “必須か?”を”はい”に変更する
- “選択肢”に次を入力する
価格リストは税込み金額
価格リストは税抜き金額(表示の際は税込み換算されます) - “Allow Custom”を”はい”に変更する
これによって、上記選択肢にない場合でも登録時に選択肢に追加できる - “デフォルト値”に”現金”と入力する
- “価格リスト1”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”価格リスト1”と入力する
- “フィールド名”に”price_list1″と入力する
- “フィールドタイプ”を”繰り返しフィールド”に変更する
- “必須か?”を”はい”に変更する
- “商品名”サブフィールドを追加する
- “サブフィールド”で”+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”商品名”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “必須か?”を”はい”に変更する
- “価格”サブフィールドを追加する
- “サブフィールド”で”+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”価格”と入力する
- “フィールドタイプ”を”数値”に変更する
※テキストのままだと価格に幅を持たせた表現(例:100~200円)ができる。ただし、価格の比較や検索ができなくなる。 - “必須か?”を”はい”に変更する
- “備考”サブフィールドを追加する
- “サブフィールド”で”+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”備考”と入力する
- “フィールドタイプ”は”テキスト”のままとする
- “価格リスト2”フィールドを追加する
- “価格リスト1”にマウスカーソルをあて、”複製”をクリックする
- “フィールドラベル”に”価格リスト2”と入力する
- “フィールド名”に”price_list2″と入力する
- “フィールド名”に”価格リスト2”と入力する
- “必須か?”を”いいえ”に変更する
- “公式Webサイト”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”公式Webサイト”と入力する
- “フィールド名”に”official_web”と入力する
- “フィールドタイプ”を”URL”に変更する
- “Twitter”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”Twitter”と入力する
- “フィールド名”に”twitter”と入力する
- “フィールドタイプ”を”URL”に変更する
- “LINE”フィールドを追加する
- “+ フィールドを追加”ボタンをクリックする
- “フィールドラベル”に”LINE”と入力する
- “フィールド名”に”line”と入力する
- “フィールドタイプ”を”URL”に変更する
- “公開”ボタンをクリックする