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イベント情報
- イベント名:MOVO FORESIGHT 2020
- 開催日時:2020/2/6 (木) 13:00~18:50
- 開催場所:ベルサール御成門タワー
- 参加費:無料(要事前登録)
- 公式サイト:https://movo.co.jp/event_and_seminor/1116
参加セッション
- 基調対談
- 2つのDX
- 個社最適から社会最適へ
- 流通業界におけるDXの課題とそのアプローチ
- MOVO導入企業セッション「マネジメントが本気で物流に取り組む意味」
セッション内容
開催趣旨
物流業界のアナログな業務をデジタル化することで、可視化され、そこから分析、アクションにつなげることができる。
サプライチェーンの各プレイヤー(メーカー、卸、小売り、3PL、運送事業者)が自社にとって最適な行動をとると、全体最適からかけ離れがちである。(合成の誤謬)
その結果、アナログ作業、輸送時の積載率の低下、無駄な在庫などの不合理が発生している。
とはいえ、いずれかのプレイヤーが他の全プレイヤーの協力を得て全体最適の立場をとることは難しい。そこでHacobuでは、物流情報ビッグデータを各プレイヤーで共有し、各プレイヤーはデータに基づいて最適な行動をとることで、全体最適の結果となると考えて、サービス提供をしている。
米国・欧州ではすでに荷主・3PLを中心に「物流機器・設備への投資」より「サプライチェーンの可視化・追跡」への投資が活発化している。
2つのDX
- 経営と技術の戦略について、「守りのIT投資」と「攻めのIT投資」に分けて考えると良い
- 守りのIT投資:コスト削減や管理のために行う
→ 外部リソースを利用するべき - 攻めのIT投資:自社の優位性確保、利益増大のために行う
→ 内製化するべき
- 守りのIT投資:コスト削減や管理のために行う
- その他重要なこと
- 市場にある技術の選択肢を知ることが重要
- 自らの業界のインフラ標準に適応するべき
- 各社の取り組み
- 要件定義者・設計者・開発者を1チームにする
- エンジニアはエンジニア以外の人と仲良くする
- マイクロサービス化して開発スピードの向上(gRPC、Istioなどの利用)
- UIはコンポーネント化して再利用化
個社最適から社会最適へ
個社で最適な状態を目指すのではなく、社会全体で最適であることを目指さなければ、ビジネスは成功しにくくなっている
流通業界におけるDXの課題とそのアプローチ
流通業界において、実店舗とネットショップの両方をもつ企業は、共食いする部分も出るが長期的にみると両方での利用が増え、結果としてLTVが向上する。
これは生鮮食品等を扱うネットスーパーでもあてはまる。
ユーザーがどちらの店を選ぶかはその時々で適切なロケーションの方である。
従って、実店舗、ネットショップそれぞれで、特徴のあるサービスを提供することが重要である。
装置産業である物流業界にはダイナミックプライシングが向いているため、需給バランスや、サービスレベルによって価格を随時変動させることも考慮に入れる。
MOVO導入企業セッション「マネジメントが本気で物流に取り組む意味」
- アスクルの事例
バース予約システムを導入- 作業のスケジューリングができるようになり、トラック待機問題だけでなく、入荷作業の効率も上がった
- 2020年内に全国の倉庫に導入予定
- 物流改善を推進する上で次のことが重要になる
- 推進部門は3つの覚悟をすること
- 社会問題を解決する覚悟
- 仕事の仕方を変える覚悟
- チームで成果を出す覚悟
- 関連部門・組織の共感を得ること
- 経営目線での訴求(利益が出る)
- 仕事の効率性を訴求(仕事が楽になる)
- 推進部門は3つの覚悟をすること
所感
各プレイヤーはデータに基づいて最適な行動をとることで、全体最適の結果となるとのことだが、データの読み方は恣意的になりがちであるし、それをプラットフォームで軌道修正しようとするのも恣意的である。
共通の単位(すべて金額換算するなど)や共通の評価軸があればよいと思う。
実際にHacobu社は多対多の組織間で効果をあげているのだろうか。
ただ、データドリブンの姿勢は各社で扱う商品、サービス、システムがばらばらな物流業界では変化に対応しやすくてよいと思う。
装置産業に向いているという点ではサブスクリプションも同じであるが、ダイナミックプライシングとは性格は反対である。
しかし、両者は同時に成り立ちうる。
AWSのEC2(仮想サーバーサービス)もサブスクリプション(オンデマンドサービス(リソース共有) / リザーブドインスタンスサービス(リソース占有))とダイナミックプライシング(スポットインスタンスサービス)がある。